『幻影師アイゼンハイム(原題:The Illusionist)』映画レビュー

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※ネタバレあり。飽きさせない展開とエドワード・ノートンの安定感が抜群。だけど重要な部分がCG頼みで、不満だらけの結果に…。

エドワード・ノートン主演のサスペンス『幻影師アイゼンハイム(原題:The Illusionist)』映画レビュー

【ストーリー】
19世紀末ウィーンが舞台。アイゼンハイムという名の幻影師が絶大なる人気を誇っていた。ある日彼は舞台の上で幼なじみのソフィと再会するが、現在は皇太子の婚約者であった。だが、そのソフィが皇太子邸で謎の死を遂げてしまった。アイゼンハイムはソフィの幻影を蘇らせる前代未聞のイリュージョンを発表するが…。

エドワード・ノートン主演ということもあってか、物凄く安心感がありました。時代設定は19世紀ということで、英国ではないけれどグラナダTVの『シャーロック・ホームズの冒険』的な紳士が盛りだくさん(笑)なイメージ。なんだか全体的には、クリストファー・ノーラン監督でクリスチャン・ベールとヒュー・ジャックマン主演の『プレステージ』っぽくもあるけども。

このアイゼンハイムとソフィはかつて相思相愛だったのだが、身分が違い過ぎるということで引き離されてしまった。それがまた出逢っちゃったもんだからまた燃え上がってしまうわけね。でもソフィは皇太子と婚約しているもんだから、アイゼンハイムともう一度結ばれるためには、一筋縄ではいかない障害を何とかしなきゃイカン訳ですわ。

サスペンス映画としては、それなりに緊迫感があって飽きずに鑑賞できると思います。が、見終わった後には不満が爆発。
アイゼンハイムの手品?幻影?が兎に角CGづくしで、原題においても再現できるものではないもんだから興ざめしちゃいました。だって変でしょ、このCGで色々トリックめいた事やっておいて、その解説がなく話が終わっちゃうんだからねぇ…とっても空虚。面白いけど改悪としか言い様のないロバート・ダウニーJrの『シャーロック・ホームズ』ですら(ですらって何だ!)種明かしはあったぞ。
兎にも角にも、この現実には再現不可能なことをCGでやってしまったお陰で、もはや”イリュージョニスト”という設定すら不要になってしまい、なんだか嫌悪感すら覚える結果となってしまいました。

それから皇太子に至っては、なんであんな目に合うのかわかりませんでしたね。身勝手なヤロウだなぁ、アイゼンハイム。

内容(「Oricon」データベースより)
第78回アカデミー賞を受賞した『クラッシュ』の製作チームが手掛ける極上のサスペンス・ミステリー。ある日、幻影師のアイゼンハイムは、舞台で幼なじみのソフィと再会する。皇太子の婚約者として注目を集める彼女だったが、その後ほどなくして謎の死を遂げてしまう。謀殺の噂が沸き立つ中、アイゼンハイムはソフィの幻影を蘇らせる前代未聞のイリュージョンを発表するのだが…。