『マリーゴールド・ホテルで会いましょう(原題:The Best Exotic Marigold Hotel)』映画レビュー

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ジュディ・デンチ、ビル・ナイ、マギー・スミスら豪華シニア俳優たち(笑)による極上のコメディ。色彩豊かなインドでの暮らしを通して繰り広げられるドラマに、ちょっと切なくなれます。

『マリーゴールド・ホテルで会いましょう(原題:The Best Exotic Marigold Hotel)』映画レビュー

老後の生活をインドにある素敵なリゾートホテルで過ごそうと、魅力的なパンフレットに惹かれてやってきた7人の男女。ところがそのホテル(マリーゴールド・ホテル)は、ボロボロのホテルだった!

007で長らく”M”を演じてきたジュディ・デンチが主演の本作。その他にもビル・ナイやマギー・スミスなど、英国の名優たちが顔を揃えていて、演技そのものはもう安心して鑑賞できました。色鮮やかなインドでの生活を通して繰り広げられる様々な出来事はどれもありきたり。意外性のあるものは少ないが、テンポよく上手にまとめられていて飽きない。シニア俳優ばかりなので中年や老人しか楽しめないかと思いきやそんなことはなく、インドの未来ある若い男女にも焦点があてられており、全年齢が楽しめる作りとなっている。

かつて英国の植民地だったからか?主にマギー・スミス演じる”ミュリエル・ドネリー”の口から出るインド人差別は笑っていいのか悪いのか少々悩むところだが、これもまたイギリスの映画っぽくもある。

この映画は非常によくまとまっていて、笑いと切なさ、それぞれの登場人物の描かれ方、映画としてのテンポのどれをとっても心地よさを味わえる。観る人によってはその軽快さが薄っぺらく感じてしまう可能性もあるが、色彩豊かなインドのスパイスが身体中を爽やかに駆け抜けるような爽快感を、秋の夜長にいかがでしょうか。

<ストーリー>
インドの高級リゾートホテルで魅惑の日々を─そんな謳い文句に惹かれて、イギリスからやって来たやっかいな事情を抱える男女7人。そんな彼らを待っていたのは、将来豪華になる“予定”のボロホテルと、異文化の洗礼だった。始めは戸惑うばかりの彼らだったが、新たな自分とささやかな幸福に出会い、この地を愛し始めていく。しかし、突然ホテル閉鎖の知らせが。再び人生の岐路に立つ彼らの選択は……?