『ヤング・シャーロック・ホームズ 対決!モリアーティ教授』映画レビュー

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セットや衣装はいいけど、全体的にもっとやれたんじゃないか?と思うイマイチ感漂う作品。やっぱり『シャーロック・ホームズの冒険』のホームズとワトソンが一番な人には受け入れられないかも!?

TSUTAYA DISCASより
『エクソシスト ビギニング』のジェームズ・ダーシーが若き日のホームズに扮し、宿敵・モリアーティ教授と頭脳戦を繰り広げるサスペンスミステリー。ホームズは阿片マーケットを仕切るハリントンに殺人事件の調査を依頼され、みごと死体の謎を解くが…。

ジェームズ・ダーシー演じる28歳の若き日のシャーロック・ホームズの活躍を描いた物語。やはりグラナダTVの『シャーロック・ホームズの冒険』で、完全にホームズ&ワトスン像が出来上がってしまっていたので、残念ながら違和感タップリ。BBCのテレビドラマ『SHERLOCK/シャーロック』の方は設定が現代ってことで、割りとすんなり受け入れられましたが。

シャーロック・ホームズ個人に関してもジェレミー・ブレットの印象が相当に強くて、やっぱり「コレじゃない感」がありましたが、「若い頃の」ってことでなんとか納得(努力しました…)。だけどこのホームズったら酒!タバコ!女!なんですよね(苦笑)。本作よりも先に観たのがベネディクト・カンバーバッチのホームズに慣れてはいたので、中盤辺りから「まぁ、いいか…」と思うようになりましたが。ワトスンはワトスンでかなりふくよかでポッチャリしています。あ、シャーロックの兄であるマイクロフトは精悍な顔をしていてかなり良い感じだったな。アル・パチーノ主演の映画『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』で結構重要な「チョイ役」だったガブリエル・アンウォーも出ていますが、綺麗に映ってます。モリアーティ教授は知的な雰囲気が皆無で、なんだか『猿の惑星』に出てきそうな感じ…

19世紀の英国を再現したセットに関しては、屋外の様子はイマイチでしたが、室内のインテリアや雰囲気はとっても良かった。結構細かい部分も映るんだけど、どれを見ても趣きがあります。やっぱりホームズの部屋、好きだな~。

平気で人を殺したり兎に角女をオトシにかかったりと、あんまり英国紳士の気品を感じさせないホームズが、あんまりパートナーとしての絆の深さを感じられない太っちょのワトスンと一緒に、大した謎解きも無いままとっても小物臭の漂うモリアーティ教授をなんとなく追い詰めて、結構なグダグダで終わっちゃいました…
雰囲気的にはグラナダTVの『シャーロック・ホームズの冒険』でもロバート・ダウニー・ジュニアの『シャーロック・ホームズ』や、勿論BBCの『SHERLOCK/シャーロック』でもなく、なんとなくジョニー・デップの出演作、切り裂きジャックを舞台にした『フロム・ヘル』に通ずる印象を持ちましたね。