『デッドマン(原題:Dead Man)』映画レビュー

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モノクロ映像が映える西部劇。ジョニー・デップ他、個性的な俳優による演技が見もの。映画全体に蔓延る独特の間が素晴らしかった。

ジョニー・デップ主演の西部劇『デッドマン(原題:Dead Man)』のタイトル画面

ジョニー・デップ主演のモノクロ映画を観るのは『エド・ウッド』に続いて2作目でした。この人カラーでもモノクロでも映えるなぁ。

会計士の仕事に就こうとマシーンという街に遥々やってきた青年”ウィリアム・ブレイク(ジョニー・デップ)”。しかし会計士の仕事には就けず、その夜出会った若い娘の家に泊まったところ、痴情の縺れから殺し屋たちに追われる羽目になる。逃亡の旅の途中”ノーボディ(ゲイリー・ファーマー)”という名前のインディアンに命を救われる。ノーボディと逃亡を続けるうちに、ブレイクは銃の使い手へと変貌してゆく。

とても静かな映像とニール・ヤングによる即興演奏との対比が素晴らしい。
ノーボディを演じたゲイリーファーマーは太っていることも手伝って、元横綱の曙っぽい。ネイティブ・アメリカンというよりもハワイの先住民に見えるなぁ。
個人的には大好きなジョン・ハートが、結構ちょい役的な扱いでの出演だったことが残念だったけど、同じくちょい役で出演している”イギー・ポップ”が印象に残ったのなんの。まあ、色物としてだけどさ。

ネイティブ・アメリカンのスピリチュアルな世界観を垣間見ることのできる本作。ネイティブ・アメリカンと云えばジョニー・デップのルーツでもあり、彼が本作に注いだ意気込みは、しっかりと演技に現れていたようにも思える。

だけどジョニー・デップを好きじゃない人がこれを観ても、きっと退屈してしまうかもしれないな。

内容(「Oricon」データベースより)
寡作の巨匠、ジム・ジャームッシュ監督が19世紀後半のアメリカ西部、ウェスタンの世界を描いた傑作。心を揺さぶるニール・ヤングの即興演奏。構想から7年をかけて完成した長編作。