シャルル・ペロー(著)澁澤龍彦(訳):長靴をはいた猫

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長靴を履いた猫・赤頭巾・親指太郎などを含む短編集です。
日本ではシャルル・ペローの童話よりもグリム童話の方が有名かもしれませんが、あちらが概ねハッピー・エンドで子供向け(まぁ、本当は怖い~等の様に、あちらにも裏はあるのですけれど)なのに対し、シャルル・ペローの童話はエロティシズムや残虐性を帯びています。
例えば赤頭巾などは、ペローの童話では狼が赤頭巾の服を脱がせ、ベッドに寝かせ、最後には食べてしまいます。
澁澤龍彦による翻訳がとてもしなやかで、エロティシズムや残虐性に美しさを付加しています。
また、片山健さんの挿絵がまた秀逸です。基本的にみんな目がイッてます。コケティッシュ且つフェティッシュです。兎にも角にもティッシュまみれ。

内容(「BOOK」データベースより)
「赤頭巾ちゃん」にしても「眠れる森の美女」にしても、本来は血なまぐさくて荒々しく、セクシャルで残酷な民話だった。ペローの童話はその味わいを残しながら、一方では皮肉な人間観察や教訓にみち、童話文学の先駆的作品となった…この残酷で異様なメルヘンの世界を、渋沢龍彦はしなやかな日本語で甦らせた。独特の魅力あふれる片山健の装画をそえておくる決定版ペロー童話集。