『セルピコ(原題:Serpico)』映画レビュー

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長髪に髭を蓄えてヒッピーさながらのファッションに身を包んだアル・パチーノはある意味斬新!若き日のパチーノが熱演する警察官フランク・セルピコの生き様に惹き込まれる社会派映画。

『セルピコ(原題:Serpico)』映画レビュー

【ストーリー】
アル・パチーノを主演に迎え、シドニー・ルメット監督が実話を元に描いたフィルムノワール。正義と使命感に燃える男セルピコが、汚職と腐敗にまみれた警察組織に立ち向かう。

本作品の優れた演技で、アル・パチーノは1973年度のゴールデン・グローブ賞のドラマ部門と、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞の主演男優賞を獲得している。また、同年度のアカデミー賞では、主演男優賞と脚色賞にノミネートされている。
アル・パチーノが演じたフランク・セルピコは実在する警察官で、警察組織内の汚職と闘い続け、1971年には汚職を告発した警察官としてアメリカではとても有名な人物だそう。

映画自体はとても淡々と進んでゆくが、アル・パチーノの役作りが見事で、彼の一挙手一投足から目を離せない。まだ若い頃のアル・パチーノが熱演するフランク・セルピコは、正義感に厚く真っ当な警察官。汚職だらけの警察内部で疎まれ、次第に孤立し、警察内部にも敵だらけの状態で犯罪者とも戦い続けているので、私生活も次第に上手くゆかなくなってゆくのであるが、これが後の『スカーフェイス』などとも相まって、「アル・パチーノ」=「孤独な一匹狼」のイメージが焼き付いてしまった。思えば『カリートの道』も、なんだかんだで寂しい主人公のイメージなんだよなぁ…。

内容(「Oricon」データベースより)
新米警官のセルピコは麻薬組織のボスからの賄賂を拒否したために左遷されてしまう。署内の汚職に目をつぶれなかったセルピコは内部告発に踏み切るが…。シドニー・ルメット監督が贈る、一人で悪に立ち向かう男を描く実話に基づいた社会派ドラマ。アル・パチーノ、ジョン・ランドルフ、ジャック・キホーほか出演。