『羊たちの沈黙』の完全なるオマージュと云えるフランス版。淡々とした展開だが、主演のメラニー・ロランの魅力で一応最後までは…。
映画全編にわたって『羊たちの沈黙』のオマージュであることを隠そうとしない本作は、ある種の潔さがあった。主人公を演じたメラニー・ロランの魅力で持っているような印象を受けたが、丁寧に作られたストーリーが割りと良くて、気だるいテンポの割にはそれなりに満足できた。
だけど決して面白かったわけではなく、”そこそこ”といった印象止まりだったのは、やっぱりオマージュっぷりが全開(作中に羊たち~が出てくるくらいだし)だったから。まあ、正直で良かったけども。
本作は日本では公開されずに、DVDのみのリリースとなっている。原題の『La chambre des morts』を和訳すると”死者の部屋”という意味であるらしいが、わざわざ『スマイルコレクター』なんて意味の分からない邦題を付けなくても良かったのにと思ってしまった。
内容(「キネマ旬報社」データベースより)
『真夜中のピアニスト』などに出演するフランスの若手女優、メラニー・ロラン主演によるサスペンス。人手不足のために誘拐殺人事件の捜査に駆り出されたリューシー巡査長。プロファイリングを得意とする彼女は、独学の知識で犯人像を割り出していく。