『命』をテーマにした、重たいヒューマン・ドラマ。ショーン・ペン、ナオミ・ワッツ、ベニチオ・デル・トロらの名演で惹きこまれること請け合い。
Amazonレビュー
クリスティーナは、ふたりの娘と優しい夫と幸せに暮らしていたが、その愛する家族を交通事故で失ってしまう。ひき逃げ犯は前科者のジャック。更生し、神を信じて真面目に働いていた矢先の不注意による事故だった。しかし、亡くなったクリスティーナの夫の心臓は、移植を待っていた大学教授のポールの命を救う。このことがきっかけになり、クリスティーナ、ポール、ジャックは引き寄せられるように近づく…。
『アモーレス・ペロス』が絶賛されたメキシコのアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトウ監督が、絶望の淵に絶たされた人間が葛藤の末に希望を見いだす姿を描いた人間ドラマ。時間軸を交錯させた構成、手持ちカメラによるリアリティを追求した映像、そして役者たちの渾身の演技が、登場人物たちの怒りと悲しみ、その感情のうねりを映し出す。クリスティーナにナオミ・ワッツ、ジャックにベニチオ・デル・トロ、ポールにショーン・ペンという演技派たちの重厚で情熱的な演技には圧倒されること必至だ。(斎藤 香)
ひとつの心臓をめぐって繰り広げられる人間ドラマ。とても重たい空気に包まれた作品ですが、ショーン・ペンの演技は流石の一言。古谷一行の様なブラッド・ピットの様なベニチオ・デル・トロやナオミ・ワッツも良い演技をしており、作品の価値を高めていますね。時間軸に沿わない展開であり、カット割りも複雑なので、初回に観た時はただ単に演技の良さしか感じなかったのだが、繰り返し観てストーリーをきちんと把握してゆくと、とてもよい作品であることに気がついた。
思い切り本作の中に入り込んでいけるかどうかで、この作品の評価は別れると思う。