パトリック ジュースキント (著) Patrick S¨uskind (原著) 池内 紀 (翻訳) 香水―ある人殺しの物語

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

主人公は恐ろしく鼻の効くのだが、自身には一切の体臭もなく、なんの香りも発することがない男。
後に、『パフューム ある人殺しの物語』として映画化もされた。
作品中には余すところ無く、美醜それぞれの香りに対する表現がなされており、それぞれが秀逸。
香水がテーマとなっているが、オシャレさとは無縁なので注意。
映画の方は、この小説のいいところを余すところ無く表現できているわけではなかった様に思えるが、当時のパリの汚さの表現が素晴らしく、それなりに楽しめた。
香りに関する描写と比べて、文章全体としてはとても淡々としているので、もしかしたら好みが分かれてしまうかもしれないが、とても読みやすく、丁寧な翻訳がなされている。

内容(「BOOK」データベースより)
18世紀のパリ。孤児のグルヌイユは生まれながらに図抜けた嗅覚を与えられていた。真の闇夜でさえ匂いで自在に歩める。異才はやがて香水調合師としてパリ中を陶然とさせる。さらなる芳香を求めた男は、ある日、処女の体臭に我を忘れる。この匂いをわがものに…欲望のほむらが燃えあがる。稀代の“匂いの魔術師”をめぐる大奇譚。