『オリバー・ツイスト(原題:Oliver Twist)』映画レビュー

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ロマン・ポランスキーっぽい映像で最後までそれなりに観られますが、原作にある重要な部分が割愛されていて台無しに…。

『オリバー・ツイスト(原題:Oliver Twist)』パッケージ画像

チャールズ・ディケンズの同名の小説をロマン・ポランスキーが2005年に映画化した作品。主人公のとっても健気な少年”オリバー・ツイスト”を演じたバーニー・クラークは、とっても可愛くてしっかりと演技ができている。

また、優しい紳士のブラウンロー氏を演じたのはグラナダTVの『シャーロック・ホームズの冒険』シリーズで二代目ワトスンを演じたエドワード・ハードウィック。相変わらず紳士!相変わらず優しそう!
それから泥棒団の意地悪で小汚いボスを演じたベン・キングズレーは名演であった。ナイトの称号を持つ彼があんなに小汚いなんて(笑)…。

健気なオリバーが、この対照的な二人の愛情の間で翻弄されているのを見ていると、なんだか悲しくなってきます。

問題は、原作でもキーポイントとなっているオリバーの出生の秘密の部分。ロマン・ポランスキーは大胆にもこの部分をカットしてしまったため、ブラウンロー氏がオリバーに愛情を注ぐ理由が曖昧になってしまった…。残念でならない。

内容(「キネマ旬報社」データベースより)
総製作費80億円を投じて再現した19世紀ロンドンの街並みを舞台に、幸福を求める少年の冒険と成長を描いた文芸ドラマ。救貧院を追放されたオリバー・ツイストは一路ロンドンを目指す。やがて、窃盗団に拾われた彼は、恐ろしい事件に巻き込まれていき…。