『八つ墓村(1977年)』映画レビュー

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役者陣の演技が凄すぎて圧倒されるが…ちょっと長いかも(笑)。

【ストーリー(Amazonより)】
横溝正史の同名ミステリ小説を松竹映画の巨匠・野村芳太郎監督が映画化し、大ヒットを記録した超大作。東京に住む辰弥(萩原健一)は、自分を探していた祖父が目の前で毒殺死したことを機に、故郷の八つ墓村を訪れた。そこは戦国時代の落武者惨殺の伝説に彩られた地であり、やがてそこで謎の連続殺人事件が勃発する…。

さてさて、1977年に公開されたこの『八つ墓村』。子供の頃に観た深夜テレビでトラウマとなってしまった作品でもあります。凡そ30年ぶり?くらいに再鑑賞してみました。

原作もそうでしたが、本作の主役は金田一耕助というよりも寺田辰弥ですね。この辰弥を演じていたのはショーケンこと萩原健一ですが、この頃はシュッとしていて格好いいですね。そして私立探偵の金田一耕助を演じたのは寅さんでお馴染みの渥美清。パーマこそあててモジャモジャだけど、和服を着ているわけでもなく、頭を掻きむしってフケが舞うわけでもない。それこそほぼ寅さんのような雰囲気で結構空気っぽい(笑)。

役者陣も豪華で、どう扮装しても邦衛っぽすぎる田中邦衛に苦笑したり、エンドロールに出てきた風間杜夫・吉岡秀隆がどこに出ているのやらと見返したくなったり、大滝秀治に夏八木勲、綿引洪(現芸名:綿引勝彦)などなど兎に角豪華絢爛。でもヤッパリ圧巻は山崎努ですね。彼が演じた多治見要蔵が暴れ回る姿は久しぶりに見てもゾッとしました。

ストーリーは原作に忠実ですが、原作が呪いに見立てた連続殺人であるのに対して、本作は本物の怨念のようなものが加えられてホラーっぽい演出がなされている部分があります。丁寧に作りすぎたせいか2時間半位の上映時間となりましたが、ちょっと眠気を誘うかも…。

映像としては、随所に出てくる長閑な田舎風景にノスタルジーを掻き立てられました。とても懐かしく感じて、鑑賞を終えた後も印象に残りました。

【キャスト(Wikipediaより)】
金田一 耕助 – 渥美清
寺田 辰弥 – 萩原健一
森 美也子 – 小川眞由美
多治見 要蔵 / 久弥(二役) – 山崎努
多治見 春代 – 山本陽子
多治見 小竹 – 市原悦子
多治見 小梅 – 山口仁奈子
井川 鶴子 – 中野良子
井川 丑松 – 加藤嘉
井川 勘治 – 井川比佐志
工藤(校長)(原作の梅幸にあたる人物) – 下條正巳
久野(医師) – 藤岡琢也
森 荘吉 – 浜村純
吉岡 太一郎 – 浜田寅彦
和江 – 夏純子
馬喰 吉蔵 – 山谷初男
濃茶の尼 – 任田順好
諏訪(弁護士) – 大滝秀治
磯川(警部) – 花沢徳衛
新井(巡査) – 下條アトム
矢島(刑事) – 綿引洪
尼子 義孝 – 夏八木勲
落武者 – 田中邦衛
落武者 – 稲葉義男
落武者 – 佐藤蛾次郎(ノークレジット)
庄左衛門 – 橋本功
辰弥(少年時代) – 吉岡秀隆
亀井 陽一 – 風間杜夫
多治見 おきさ – 島田陽子

内容(「Oricon」データベースより)
横溝正史原作によるベストセラー小説を映画化した、名探偵金田一耕助の活躍を描いた傑作サスペンス。萩原健一、渥美清ほか出演。