『英国王のスピーチ(原題:The King’s Speech)』映画レビュー

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コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム=カーターをはじめとした豪華役者陣。それぞれの演技はとても良かったけど、感情移入ができず、結果として印象にも残りませんでした。

コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム=カーター出演の映画『英国王のスピーチ(原題:The King's Speech)』からの一コマ

コリン・ファースが英国王のジョージ六世を演じ、第83回アカデミー賞では作品賞など4部門を受賞した作品ですが…。
感動しないと駄目ですかね?全く感情移入できずに、すっかり置いてけぼりな感じでした。

誤解のないように申し上げておきますが、”吃音の克服”がテーマだったことに感情移入できなかったわけではなく、単純にジョージ六世(コリン・ファース)と言語聴覚士のライオネル・ローグ(ジェフリー・ラッシュ)の信頼関係というか距離感に違和感があったことが原因でした。いつの間にそんな信頼し合う関係になったのか、見返してみてもよく分かりませんでした。

世界各国で高評価を受け、興行的に成功し、アカデミー賞まで獲得した作品に難癖をつけるつもりはありませんが、ジョージ六世にのみ焦点を当てているような感じで、言語聴覚士のライオネル・ローグをもう少し細かく丁寧に描いて欲しかった。

また、思い返してみれば英国王室に思い入れもない立場且つ我が大日本帝国の同盟国ナチス・ドイツ(オイオイ!)との開戦に踏み切る直前の物語であったことも、感情移入がしにくい原因であり、結果として”内容”よりも”演技”を観るだけに徹してしまったことも記しておく必要が有る。半分冗談だけど。

内容(「キネマ旬報社」データベースより)
コリン・ファース主演の伝記ドラマ。子供の頃から吃音のために無口で内向的なジョージ6世が国王に即位。折しもヒトラーの率いるナチスドイツとの開戦を余儀なくされる中、王は国民の心をひとつにすべく渾身のスピーチに挑む。