M・ナイト・シャマラン監督の『サイン(原題:Signs)』映画レビュー

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メル・ギブソン主演(老けたな~)!M・ナイト・シャマラン監督が繰り広げる極上のB級映画として、笑いながら楽しく鑑賞出来ました。※ネタバレあり

M・ナイト・シャマラン監督の『サイン(原題:Signs)』タイトル画面

主人公の元牧師グラハム(メル・ギブソン)は、妻の事故死をきっかけに牧師を辞め、妻の弟(ホアキン・フェニックス)のトウモロコシ農場で一緒に働いている。彼が牧師をやめた理由は妻が死ぬ寸前に発した意味不明の言葉を聞いて、信仰心が揺らいだことだった…。

この映画は賛否両論あるようですね。B級映画の要素満載で結構楽しめましたが、ツマラナイ(クダラナイと言ったほうが良いか)と感じた方が多いのも納得です(笑)。
ヒッチコック監督の映画『鳥』とほとんど同じ設定で、シャマラン本人もオマージュと認めていたりするので、その辺りも大きなマイナスポイントとなったのかもしれませんね。
だけど、映像や台詞の端々で所謂”伏線”を張っておいて、それを後半できちんと回収(クダラナイけど…)した部分は面白かったかな。…まあ初見だとそれ位しか面白みを感じられないんですが(笑)。

宇宙人のインチキ臭さはホントに昔のテレビ番組の様だし、宇宙人の撃退方法もしょ~もない感じなのに、演技や映像は大真面目な感じでギャップが激しかったな。
伏線の部分(見て&打って、弟のバット、娘の水のくだり、息子の喘息のくだり)はこれ見よがしで、”シャマラン監督作品”だということが頭にあれば直ぐに何か意味があると思えてしまうのですが、これもまたB級映画であることに納得して鑑賞すれば満足できる爽快感がありました。

それよりも、事故にあった妻がなかなか絶命しなかったことや、娘が水を嫌がることなどを深読みしてしまって、
「もしかしたら奴らも宇宙人だったのか!?」
と変な妄想してしまったり、鑑賞後(二回目くらいのね)にはこの映画の虜となってしまいました。
ベタだけど、最後に主人公グラハムが信仰心を取り戻して牧師に復帰するところも良かった。
だけどこれは全部”単なる偶然”の連続であって、決して神の啓示ではないように思うんだけどどうなんだろう。メル・ギブソンってかなり信仰心の厚い人ですよね。シャマランにまんまと騙されたのかも…。

初見の時よりも、こうして色々と考えながら二度~三度と鑑賞しなおすと面白味が出てくる佳作だと思います。

内容(「Oricon」データベースより)
「シックス・センス」のM.ナイト・シャラマン監督が主演にメル・ギブソンを迎えて贈る戦慄のミステリームービー。ペンシルバニア州バックス群を舞台に、不慮の事故で妻を失ったことを皮切りに、平凡な家庭で次々と起こる超常現象の恐怖を描く。