『パンズ・ラビリンス』映画レビュー

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ラストをどのように解釈するかによって、本作の評価が大いに分かれそう。ギレルモ・デル・トロ監督の映像に酔いしれながら、複雑な気持ちになりました。

ギレルモ・デル・トロ監督作品『パンズ・ラビリンス』の主人公は水原希子にそっくり。

フランコ独裁政権下のスペインを舞台としたダークファンタジー。
母親の再婚相手”ヒダル大尉(セルジ・ロペス)”のもとへ赴くこととなった主人公の”オフェリア(イバナ・バケロ)”は、森の中に秘密の迷宮への入口を発見する。オフェリアの前に現れた牧神の”パン”は、オフェリアに3つの試練を与える…。

オフェリアの母親が再婚した相手、ヒダル大尉は冷酷非情な男で、人を殺すことをなんとも思っていない人物。そんなところに来てしまった主人公のオフェリア(イバナ・バケロ@水原希子にそっくり)が実は魔法の国のプリンセスだったということで、戦時下の悲惨な様子とファンタジーの不思議さが同時進行してゆくのですが、ファンタジー色は結構薄いような気がします。ファンタジックな映像自体は素晴らしいのですがとっても短くて、どちらかと言うと戦争の悲惨さを伝えることに時間を割いているのではないかと思ってしまいました。
各方面で絶賛されているようで恐縮なのですが、とっても中途半端な印象を持ってしまった。もっとファンタジー要素の部分が強かったら良かったなぁ。

ある程度グロテスクなシーンが有るので、耐性のない小さい子供と観るのは、ちょっときついかもしれませんね。
だけど、ある程度大人向けのファンタジーの割には、伏線になるようなシーンの度に分り易すぎる映し方をしたりと、これも中途半端な印象。

ラストに関しては2つの解釈ができると思うが、あまり感情移入ができずにラストまで行ってしまったので、どうしてもバッドエンド的な解釈を抱いてしまいました。
正直どちらに受け取ろうがが悲しい結末なんですが、まだ救いがある解釈の方がだいぶマシですね。

内容(「キネマ旬報社」データベースより)
『ヘルボーイ』の鬼才、ギレルモ・デル・トロ監督が手掛けたダークファンタジー。フランコ独裁政権下のスペイン。母親の再婚相手であるヒダル大尉の下へ赴くことになった少女・オフェリアは、薄暗い森の中に秘密の入り口を見つける。