『狼たちの処刑台(原題:Harry Brown)』映画レビュー

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お爺ちゃん(マイケル・ケイン)が悪ガキ共に仕返ししちゃう!邦題に騙された感もあるけれど楽しめた。

映画レビュー:『狼たちの処刑台(原題:HARRY BROWN)』マイケル・ケインが渋いタイトルキャプチャ。

本作は2009年に公開された作品で、主演はマイケル・ケイン。日本では劇場公開はなく、ビデオスルーとして2011年に発売された。

元海兵隊員で今は年金暮らしをしているハリー・ブラウン(マイケル・ケイン)は、公共団地周辺で悪さをしている若者(ギャング集団)のせいで妻の死に目に合えず、大切な親友も殺されてしまう。警察は何もしようとはしない。ハリーは一人静かに、復讐を決意して立ち上がる…。

全体的に暗く、ハードで乾いた印象で、フィルム・ノワール感が漂う本作。
冒頭、主人公ハリーの規則正しい生活を描く描写で、彼の人となりがしっかりと伝わってきた。
イギリスで起こっている問題の全てを、一人の老人に背負わせてしまっている感じはするのだが、観ている間は純粋にマイケル・ケインの演技に集中しきってしまった。

重要な役どころで云うと、女刑事役アリスを演じたのはエミリー・モーティマー。”警察唯一の良心”みたいな存在でよかった。
それから途中で出てくるジャンキーが完全にイッちゃってて、ホンモノ感たっぷり(ホンモノみたことないけどね)。

こういう重たいテーマの中、主人公の老人が銃器を扱う映画として好きなのは本作の他に『ザ・ヒットマン(原題:アルツハイマーケース)』がある。どちらも取ってつけたような邦題は最悪だけど、凄く良い。

内容(「キネマ旬報社」データベースより)
『インセプション』のマイケル・ケイン主演によるアクション。ドラッグの売人やギャング団の抗争が相次ぐ地区にある公共団地で暮らすハリー。妻の最期を看取れず、親友もギャング団に惨殺されたハリーの怒りと哀しみは、やがて復讐を決意させ…。