壁掛けインテリアグッズ:ヴンダーカンマーを目指して亀の剥製を飾る。

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ヴンダーカンマーを目指して飾った亀の剥製

仕事用の机を挟んで、亀の剥製と鹿の剥製が並ぶ。我ながら、少々奇妙な光景です…。

以前に『愉悦の蒐集 ヴンダーカンマーの謎』という書籍を紹介したのですが、ドイツ語の『ヴンダーカンマー(Wunderkammer)』は、『驚異の部屋』或いは『不思議の部屋』という意味であり、15世紀~18世紀の貴族のお屋敷に設けられていることが多かったとのこと。自然界や人工の不思議な品々が一部屋に集められて展示してある部屋のことを指します。

ヴンダーカンマーと同じようなケースでは、J.K.ユイスマンスの著作で澁澤龍彦が翻訳した『さかしま』でも、こういった面白くて不思議なもので部屋を飾る主人公”デ・ゼッサント”が登場します。ふと思えば、澁澤龍彦の邸宅もたいへん素晴らしい内装です。人間の髑髏であるとか、美しい貝殻などが、サロンを思わせる室内に置かれておりましたね。

私は最初にさかしまを読んでいて、その後でヴンダーカンマーの存在を知り、手始めに鹿の剥製を入手したことによって、「嗚呼、次は亀の剥製が欲しい…欲しい…」という気持ちがいつも頭から離れなくなりまして(ビョーキか!)、少し前にヤフーオークション経由で手に入れました。いやぁ、便利な世の中になったもんです。

で、実際に飾ってみた感想は、うーん…。鹿の剥製と比較すると特に驚きも面白味もなく、少々邪魔にすら感じることもあります。原因としては、部屋の壁紙自体が、こういうものを飾るのにふさわしい雰囲気をしていないことでしょうか。それからなんとなく、この亀が巨大な虫か何かで、それがノソノソと壁をよじ登っているような、時折そんな奇っ怪な錯覚に陥ってしまう瞬間があるんです(誇大妄想狂か!)。そもそもこの住まいは賃貸ということもあるので、勝手に壁紙は張り替えられないし天井も低いし…などなど、今のすまいに文句を言い始めるとキリが無くなりそうなので、今日はこのへんで。